授賞式

「映画」を本気で志していた20代前半、

いつも思い描いていたことは、

雑誌の「Cut」に載ることと、

米国の「アカデミー賞」に出席することだった。

毎年放送を楽しみにしている、

NHK-BSの「アカデミー賞授賞式のすべて」を見ながら、

安物のウィスキーを飲む。

WOWOWを契約して生放送を観たいとも思うけれど、

英語が出来ない者としては、

生放送の味気ない同時通訳を聞くよりは、

各登壇者のジョークの意図も踏まえた字幕付きの放送を観た方が、よっぽど楽しめると思う。

当然、各賞の受賞結果は知っているのだが、

それでも主要部門の発表には息を呑んでしまう。

特に、脚本賞でクエンティン・タランティーノが受賞した瞬間は、思わず高揚してしまった。

今年のアカデミー賞は、「激戦」という前評判に合致して、

例年になく各賞がばらけた。

主要部門でノミネートされた各作品のうち、すでに鑑賞出来ているのは2作品だけだが、

本当に今年のアカデミー賞が良い映画揃いなのは見てとれた。

例によって、このタイミングが最も“映画鑑賞欲”が高まる。

はやく、「アルゴ」が観たい。

「リンカーン」が観たい。

「世界にひとつのプレイブック」が観たい。

「ジャンゴ」が観たい。

個人賞は完全に無視されつつも、頂点を勝ち取ったベン・アフレックのスピーチが印象的だった。

失敗からどう立ち上がるか、それが重要。

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