スポーツは感動を生む。
それは応援している者が勝利をした時か。素晴らしいプレーを目の当たりにした時か。
様々な場合があるだろうが、
見ていて思わず涙が溢れてしまうのは、
心の底から喜び、すべての感情が弾ける勝者の姿を見た時だ。
女子レスリング48kg級をオリンピック初出場で制した小原日登美の勝者の姿を見て、改めてそう思った。
女子レスリングが2004年のアテネ五輪の正式種目に決定した2001年、
金メダルの最有力候補と目されたのが、世界選手権を連覇していた小原日登美(旧姓:坂本)だった。
しかし、五輪で実施される階級は世界選手権等の7階級の内、4階級。
彼女がカテゴライズされていた51kg級は、その中に入っていなかった。
下の階級には実妹がおり、骨肉の争いとなることを両親から猛反対され、上の階級での五輪出場に挑んだ。
しかし、そこには最強女王・吉田沙保里が君臨していた。
階級の狭間で苦しみ抜いた日々。
2008年一度はマットを離れたが、妹の現役引退に伴い、再び五輪挑戦への道を辿った。
そうして、“悲運の女王”が辿り着いた最初で最後のオリンピック。
勝利。金メダル。涙、涙、涙。
「すべてを流す涙 すべての苦しみを流す涙」(実況アナウンス)
小原日登美見事。
今回のオリンピックで初めて涙が溢れた。
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