卓球女子団体決勝。
決勝戦に上り詰めた日本が、金メダルをかけて最強中国と戦っている。
シンガポールとの準決勝を制し、悲願のメダル獲得を決めたシーンは感動的だった。
女子卓球において初のメダル獲得なった日本チームの3人が、
福原愛、石川佳純、平野早矢香の3人であることが、幾重にも意味深い。
チームの中心はもちろん“愛ちゃん”こと福原愛だ。
ただし、20年に渡って日本の女子卓球の話題の中心に存在した彼女が、
世界トップクラスの一流選手になり得たのは、
後の二人のライバルたちの存在があってこそだったろう。
全日本選手権を5度制し、一流選手として台頭してきた福原愛にとって、国内における壁で在り続けた平野早矢香。
そして、実力は国内ナンバーワンとなりながら、中々国内大会で勝てない状況で、下から突き上げ鮮やかに全日本選手権を制してみせた石川佳純。
上と下の強力な二人のライバルの狭間で、彼女たちと共に世界と戦い続け、互いに実力を高めていった。
そうして、ついに今年の全日本選手権を初めて制した福原愛。
この3人による日本チームにとって、この五輪でのメダル獲得は必然だったのかもしれない。
だからこそ、実際にそれを穫ってみせたことが素晴らしい。
ニュース番組で流れた18年前の映像で、5歳の“愛ちゃん”が、きっぱりとこう言っていた。
「卓球は遊びじゃない」
繰り返すが5歳の少女が、真顔でそう言っていた……。
天才少女にとって、五輪でのメダル獲得は、
5歳の時から「夢」などではなく、明確な「目標」であり、
卓球をする「目的」だった。
20年間、彼女にとって卓球は決して楽しいものではなかっただろう。
「最良」の結果を得ることはあまりに難しいことだろうが、
もしかすると、今行われている五輪の決勝戦は、
その結末がどうであれ、
福原愛という卓球選手が、強力な仲間と共に、
初めて本当の意味で卓球を楽しむことが出来る時間になるのかもしれない。
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