もう何年ぶりになるだろうか。プラネタリウムを観に行った。
愛媛県総合科学博物館の、「世界最大」とギネス記録に掲載されているというプラネタリウムで、
「探査機はやぶさ」が小惑星イトカワへ辿り着き、地球へ帰還した様を描いた番組を観た。
最新鋭の全天周映像で描かれた「冒険」の様は、問答無用に大迫力で、面白かった。
2010年、日本の小さな探査機が、
7年の歳月と60kmの道程を経て帰還したというトピックスは、
世間の話題を席巻し、フィーバーとなった。
しかし、その盛り上がりに対して、多大な興味は覚えつつも、素直に感動できない自分がいた。
その要因は、自分が“そのこと”をまったく知らなかったからに他ならない。
7年前に「はやぶさ」という探査機が打ち上げられたことも、
その2年後に小惑星イトカワに到達したことも、
数々のトラブルを経て帰路に就いているということも、何も知らなかった。
存在と経緯をまったく知らなかったのに、最後の「帰還」にだけ触れ、感動したなどと言うことは、
あまりに都合が良過ぎるような気がした。
今回、その経緯を追ったプラネタリウムの番組を観ても尚、
「感動した」などと言うことにはいささかの抵抗を覚える。
ただ「はやぶさ」というプロジェクトに対して、
科学者をはじめとする多くの関係者が、心血を注ぎ、
それに対する熱情と愛情が、奇跡とも言える目的の「達成」を呼び込んだということは、
ひしひしと伝わってきた。
自分自身が「無知」だった以上、「はやぶさ」の帰還そのものに感動は出来ない。
が、人間がその英知を追究し、未知なる成功を収めた様は、とてもドラマティックだと思う。

コメント
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確かに。感慨にふける類の感動には、過去(想い)は大切な要素。ただ、想いは溜めるだけではなく、その時々に、自分が感じたときに、行動に移すことが大切なのかなと。だから、こうして見て、想いを得た。