益々、夏は盛る。が、朝夕は少しばかり涼しい空気も感じる。
アテネ五輪、北京五輪で連覇を果たした、女子柔道の谷本歩実選手が引退とのこと。
電光石火の一本背負いや内股で「一本勝ち」を量産した、まさに「平成の女三四郎」という呼称にふさわしい柔道家だ。
二大会出場のオリンピックにおいて、“オール一本勝ち”による二つの金メダル獲得は、
日本にとどまらず、世界のスポーツ史に残る「伝説」だと思う。
彼女の引退は、スポーツファンとして寂しい限りだけれど、
プロフィールを見ると、自分と同じ歳だということで、そういうタイミングなんだろうなとは思った。
一方、同じく五輪を連覇し、金メダル4つを持つ競泳の北島康介は、
久しぶりの世界大会で、今季世界最高タイムによる優勝という素晴らしい再スタートを切った。
自分の“泳ぎ”に新しいスタイルと価値を見出した彼は、
2年後のロンドン五輪に向けて、新たなモチベーションを掴んだという。
五輪金メダリストの二つの「進退」は、
アスリートたちにとって、次のオリンピックが明確な到達地点として表われてきたことに他ならない。
今年の夏はもうすぐ終わる。次の次の夏は、もうオリンピックの夏だ。
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