「番狂わせ」という戦略

白熱のワールドカップが終わって10日あまり、

この10日間の間で買い漁っている漫画がある。

『GIANT KILLING』/ 画・ツジトモ 作・綱本将也

2007年からの連載開始で、既にNHKにてアニメ化もされており、

「ジャイキリ」と聞けば普通の漫画好きなら「何を今更」というところなのだろうが、

恥ずかしながら、ワールドカップも終盤に差し掛かった今月になって、ようやく食指が動いた。

日本の国内リーグを舞台にした「サッカー漫画」である。

ただ、何と言っても面白いこの漫画の“特異性”は、

主人公が「監督」だということだ。

若き個性派監督が、弱小チームを率いて「ジャイアント・キリング=大物食い・番狂わせ」を起こす。

というストーリー。

ワールドカップの各試合の結果においてまさに顕著だったが、

現代サッカーにおいて何よりも重要視されることは、「チーム力」であり、

チームを率いる監督の手腕が大いに勝敗を左右する。

そして、ゲーム前後の監督記者会見がしばしば注目されることからも分かるが、

サッカーとは、戦略を立て、戦略を実行し、戦略を評価する、そのプロセスを楽しむスポーツだとも言える。

サッカーを、スーパースター的な主人公の存在を中心に描くのではなく、

「監督」と彼が企てる「戦略」を中心に描く。

とてもリアルで、だからこそサッカーの面白さが詰まった抜群に面白い漫画だ。

そして、この面白さは、新しい。

GIANT KILLING(1) (モーニングKC) GIANT KILLING(1) (モーニングKC)
(2007/04/23)
ツジトモ

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「戦略」というサッカーの醍醐味を、
ポップな漫画世界でリアルに描く。
この面白さは、新しい。


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