小説家

先日の高校時代の友人らとの飲み会の中で、小説の話で盛り上がった記憶がうっすらとある。

「これまで読んだ小説の中で一番は?」という質問に対して、

村上龍の「5分後の世界」を即座に挙げたような、気がする。

小説を日常の中で趣味的に読み出したのは高校時代で、

その頃に一番最初に読んだのが村上龍の「イン・ザ・ミソスープ」だったと思う。

以来、村上龍の作品に執心し、現在に至るまでにめぼしい小説は大概読みふけった。

他にも面白い作品や、凄い小説家は沢山あるが、

10代から20代にかけて、自分に最も影響を与えた小説家は、村上龍であることはほぼ間違いない。

P.S.ちなみに今日現在の「村上龍作品ベスト5」は以下の通り。

1.「5分後の世界」(1994)

五分後の世界 (幻冬舎文庫) 五分後の世界 (幻冬舎文庫)
(1997/04)
村上 龍

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現実世界から「5分」ずれたパラレル世界。
そこでは第二次世界大戦後も地下でゲリラ戦を続ける日本人の姿があった。
それは、現代社会の日本人の在り方に対する強烈なアンチテーゼだった。

2.「イン・ザ・ミソスープ」(1997)

イン ザ・ミソスープ イン ザ・ミソスープ
(1997/09)
村上 龍

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風俗街ガイドの主人公の前に現れたのは、アメリカ人観光客のフランク。
徐々に垣間見せるフランクの正体と本質は、人間そのもののおぞましさとリンクする。
高校時代に初めて読んだ村上龍作品であり、今作での衝撃が一気にハマらせた。

3.「半島を出よ」(2005)

半島を出よ (下) 半島を出よ (下)
(2005/03/25)
村上 龍

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ごく近い未来、経済破綻した日本に北朝鮮の特殊部隊が攻め入る。
崩壊寸前の日本の混沌と回避を圧倒的なディティールでスリリングに描き切る。
村上龍作品の中では最も完成度の高いエンターテイメントだった。

4.「KYOKO」(1995)

KYOKO KYOKO
(1995/11/15)
村上 龍

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米軍基地のある街で育ったKYOKOは一人の米兵にダンスを教わった。
周囲を魅了するダンサーに成長したKYOKOは米兵を探す旅に出る。
文体そのものから音楽と人の呼吸と汗の熱情が伝わってくる。
この表現力は村上龍の真骨頂とだと思う。

5.「コインロッカー・ベイビーズ」(1980)

コインロッカー・ベイビーズ(上) (講談社文庫) コインロッカー・ベイビーズ(上) (講談社文庫)
(1984/01/09)
村上 龍

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コインロッカーで産声をあげたキクとハシ。二人の人生を圧倒的な世界観で描いた長編。
正直なところ高校時代に一度きり読んだだけなので、内容をしっかり覚えているわけでなく、「面白かった」というよりは、ただ「凄い」と感じたことしか覚えていない。
そろそろ再読してもいい時期かもしれない。


コメント

  1. MZD より:

    SECRET: 0
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    参考になります。読みます。

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