「女」という絶対性

「東京島」/桐野夏生

この文庫小説を購入したのは既に2ヶ月くらい前だった気がするが、

仕事の合間に読もうと思って鞄の中にずうっと潜ませたままになっていた。

友人がブログで「読んだ」ということを書いていて、

また木村多江主演の映画化作品が近々公開されることもあり、

鞄から取り出し一気に読みふけった。

孤島に残された31人の男と、1人の女。

描かれる物語は、“サバイバル”なんて言葉をせせら笑うような、男と女に二分された人間の「本能」のせめぎ合い。

小説を読んでいてよく感じることだが、

女性作家の表現は、時に露骨で生々しく、あらゆる面で「容赦」がない。

女性が描く「女性」には、えぐり出されたその「本質」が露になり、いつも恐ろしさを感じる。

極めてドライな展開が逆に感情的に突き刺さり、決して読後感が良いとは言い難い。

が、その女性の「本質」は、常に男性を凌駕するものであり、

男はただただひれ伏すしか無いと感じる。

東京島 (新潮文庫) 東京島 (新潮文庫)
(2010/04/24)
桐野 夏生

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