「初体験」というものは、どんな時だって“想定外”に溢れている。
思い返せば、20歳になる手前…………、いや止そう。
人生で初めて、飛行機の国際線に乗った。
若い時から、海外志向は強かった方だと思うが、意外というか、案の定というか、
「ハネムーンが海外初体験」という、極めてベタな展開になってしまった。
で、早速“想定外”は起こった。
……座席が狭い……
オーストラリア ブリスベン空港まで9時間程度のフライトではあるが、一応一晩を機内で過ごすわけで、
にも関わらずこの狭さは何なんだろう。と、思った。
国際線と同等、いやむしろそれよりも若干狭い様にも感じた。
こりゃあ、エコノミークラス症候群にもなるよ。と、座る前から思った。
午後9時の出発便だったが、早々に眠れない事を覚悟した。
それよりも、せっかくの初国際線を楽しむことにした。
国際線に乗るあたり、楽しみだったことが二つあった。
一つ目は、「機内食」だ。
今回乗ったオーストラリアへの往路便では、出発直後に夕食が付いていた。
国際線の定番と言えば、外国人CA相手の、「Beef or Fish?」機内食問答である。
その“問答”こそ、まさに念願。
国際線と言えども、日本の航空会社だったので、日本人のCAも居たのだが、
僕たちの座席の担当は、国籍は分からなかったが、「サントス」というラテン系の可愛らしいCA。運が良い。
いよいよ食事の時間になり、順番に配膳が始まった。
「Fish, please.」という返答をカッコ良く決めようとドキドキしながら身構える……。
ところが、CAのサントスは、例の常套句は使わず、替わりに二枚のプレートを笑顔で差し出してきた。
そこには二通りの夕食メニューが写真とともに記されており、そのどちらかを選んで指し示せということだった。
(合理的……( ̄□ ̄;))
そして、メニューは、肉料理か魚料理ではなく、
カレーセットかピラフセットだった……。
またしても重なる想定外な展開に、多少落胆しつつ、カレーを選んだ。
ただ、ココナッツ風味のカレーはとても美味しかった。
飲み物に白ワインを頼んで、想定外の機内食を堪能した。
→つづく。
コメント