ハネムーン vol.3「国際線の楽しみⅠ」

「初体験」というものは、どんな時だって“想定外”に溢れている。

思い返せば、20歳になる手前…………、いや止そう。

ハネムーン3

人生で初めて、飛行機の国際線に乗った。

若い時から、海外志向は強かった方だと思うが、意外というか、案の定というか、

「ハネムーンが海外初体験」という、極めてベタな展開になってしまった。

で、早速“想定外”は起こった。

……座席が狭い……

オーストラリア ブリスベン空港まで9時間程度のフライトではあるが、一応一晩を機内で過ごすわけで、

にも関わらずこの狭さは何なんだろう。と、思った。

国際線と同等、いやむしろそれよりも若干狭い様にも感じた。

こりゃあ、エコノミークラス症候群にもなるよ。と、座る前から思った。

午後9時の出発便だったが、早々に眠れない事を覚悟した。

それよりも、せっかくの初国際線を楽しむことにした。

国際線に乗るあたり、楽しみだったことが二つあった。

一つ目は、「機内食」だ。

今回乗ったオーストラリアへの往路便では、出発直後に夕食が付いていた。

国際線の定番と言えば、外国人CA相手の、「Beef or Fish?」機内食問答である。

その“問答”こそ、まさに念願。

国際線と言えども、日本の航空会社だったので、日本人のCAも居たのだが、

僕たちの座席の担当は、国籍は分からなかったが、「サントス」というラテン系の可愛らしいCA。運が良い。

いよいよ食事の時間になり、順番に配膳が始まった。

「Fish, please.」という返答をカッコ良く決めようとドキドキしながら身構える……。

ところが、CAのサントスは、例の常套句は使わず、替わりに二枚のプレートを笑顔で差し出してきた。

そこには二通りの夕食メニューが写真とともに記されており、そのどちらかを選んで指し示せということだった。
(合理的……( ̄□ ̄;))

そして、メニューは、肉料理か魚料理ではなく、

カレーセットかピラフセットだった……。

またしても重なる想定外な展開に、多少落胆しつつ、カレーを選んだ。

ただ、ココナッツ風味のカレーはとても美味しかった。

飲み物に白ワインを頼んで、想定外の機内食を堪能した。

→つづく。

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