歩いて5分。実家から新居までの道のり。
深夜、傘をさしてこの近所の道を歩いたことが、かつてあったろうか。
人生28年。どんだけ生きたって、「未経験」は尽きない。
あまり意識はないけれど、一応の独身最後の夜。
“お決まり”のごとく、家族で飲んだ。
鍋をして、ピザをとって、赤ワインを飲む。
団欒も束の間、某逃亡犯の逮捕劇の報道について、論じ合いが始まってしまった。
このところ、酔うと一段と頑固になる父親の発言に、腹立たしさを覚え、一転、険悪なムードに。
息子の結婚前夜に、何故にこんな雰囲気に導くのかと、空気を読めない父親に憤りを感じつつも、
同時に、これは確実に自分もその「血」を受け継いでいるということを、自覚せずにはいられなかった。
詰まるところ、それがこの家族の在り方なのだと思う。
そして、そのことを、誇りに思っている。
結婚前夜って、もっと緊張するものかと思っていたけど、
意外とそうでもない。
もちろん、多少酔っ払っているからなんだろうがね。
嫌な空気を努めて断ち切って、「アタック25」の録画を見た。
最後の答えは、「直江兼続」。
兜の紋章は「愛」。
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