プロ、アマを総じて、日本のスポーツ選手における「引退」後の行く末という物は、決して楽天的なものではない。
もちろん、スター選手として現役時代に名声を得た人達が、指導者、またはタレントとして活路を見出せることは周知の事実だ。
が、そうではない多くのスポーツ選手が、その後の人生において明確な「活路」を見出すことは、“スポーツ選手”になることと同様に、非常に困難だ。
プロ野球界においても、そういったことは例外ではなく、
解説者やプロ野球団のスタッフ、タレントと煌びやかな第二の人生を送る何倍もの人達が、それ以外の人生に向けて、努力を続けている。
そいうことを、このニュースは伝えてくれている。
大越基といえば、甲子園出場校のエースとしてならし、当時のダイエーホークスに1位指名されるも、投手としては日の目を見ず、早々に外野手に転向。プロ野球人生のほとんどを代走、守備要員として捧げた選手である。
ただ、そのプロ野球選手としての苦闘の日々が、今の彼を形成していったのだろう。
現役引退後、即座に指導者への道を志し、高校の教員免許を取得。
元プロ野球選手が直接アマチュアの指導者にはなれないという規定を乗り越えて、ついに高校野球の指導者として認定された。
プロ野球選手になるも、全くハイライトを浴びずに、人生そのものを落ちぶれていった人達も多い。
そんな中で、明確な意志のもと、自分自身の存在を確立していった大越氏の歩みは素晴らしいと思う。
実際、「人生」に“第一”も“第二”もないと思う。
あるのは、ただひとつなぎの一つの人生だ。
スポーツ選手への“憧れ”が、その「一生」そのものであってほしい。
と、スポーツファンとしては、強く願う。
コメント