「今、本当に面白い漫画」
という“自己満足”企画をやったとしたら、
恐らく五指に入るであろう作品、
岩明均の「ヒストリエ」の最新刊第五巻がやっと出た。
以前にも紹介した作品だが、
五巻目にして、ようやく第一巻の展開に帰結し、
アレキサンダー大王の書記官として後世に名を残す主人公エウメネスの運命が転じ始めた。
相変わらずのどこか無機質な画風の中に、深い感情と思念を含ませたキャラクター描写が冴え渡り、いよいよ漫画として加速し始めた感じがする。
連載ペースも遅く、物語の核心に入りそうで入らないまどろっこしい展開でありながら、
すでに読者を惹き付ける魅力的な作品として確立されていることは、
とても奇妙な現象ではあるが、揺るがない事実だと思う。
そう言えるほど、もうすでに素晴らしい。
ヒストリエ vol.5 (5) (アフタヌーンKC) (2009/02/23) 岩明 均 |
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