数日前のことになるが、仕事中原付で走っていると、前方を同じく原付で進んでいた老人が、踏切で滑って転倒した。
スピードは出ていなかったので、それほど激しく転んだわけではなかったが、どうも身動きがとれない様子だったので、慌てて路傍に自分の原付を停め、その老人を抱え起こした。
老人は少々うつろな様子だったが、幸い、大した怪我はしていない様子だったので、特に救急車などは呼ばなかった。
すると、気を取り戻した老人に、「あんたは、命の恩人だ」というようなことをしきりに言われた。
そりゃJRの踏切の上だったので、危険だったことは確かだが、「命の恩人」ってそりゃ少し仰々しいなと思った。
いくら世の中が殺伐としていると言っても、目の前で人が倒れて放っていく人は、そうはいない。
世の中、悪いことばかりが取沙汰されて、あたかも世界はどんどん“負”の方向へ突き進んで、良いことなんて何もないなんて印象を受けがちだが、実はそうではないと思う。
悪いことばかりに目がいくのは、自分たちがその世界を生きていて、「今」をどうにかより良くしたいという根本的な願望からであって、その精神をとっても、事実を見ても、歴史を相対的に見れば、「現在」が最も優れた時代であることは明らかだ。
人間が欲深い動物で、常に何かを欲している以上、過去よりも現在が恵まれていることは、必然だ。
もう少し、今この瞬間の素晴らしさに自信を持って、生きていたいものだ。
コメント
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肯定的な思考が
いい未来を作りだすんだろうなあ。