「ドラゴンボール」

早朝4時からサッカー中継がある(日本×ドイツ!)。

こんな夜長は、久々に「ひとり漫画夜話……」を。

もう何回目か知る由もないが、「ドラゴンボール」を読み返した。

もう分かりきったことではあるのだけれど、改めて言おう。

『「ドラゴンボール」こそは、少年漫画の王様だ』

この漫画の“スゴさ”というものは、実は物凄く多岐に渡っていて、とてもじゃないが容易に羅列できるものではない。バトルシーンの迫力と奥行き、痛快感と緊張感の絶妙な塩梅、とても“成り行き任せ”とは思えないストーリー展開………と、ほんとにキリがない。それこそ夜を語り明かせれる。

そんな数ある「ドラゴンボール」のスゴさの中でも随一だと思うのが、その不思議な「リアル感」だ。

「格闘漫画」なんてジャンルを遥かに超越した“ハイパー・バトル・アドベンチャー漫画”(なんだそりゃ?)であるこの漫画世界に、実際「リアル」なんてあるわけはない。一巻から読み進める程に、この漫画は果てしなく“破天荒”に広がっていく。それなのに、読者は決してその世界観に対して「違和感」を感じることが無い。

その最も顕著な事象が、キャラクターたちの名前だ。「ドラゴンボール」のキャラクター名に真面目に熟考して練りだされた「名前」はひとつもない。唯一“普通”なのは、物語のベースとなった「西遊記」からそのまま使用された主人公・孫悟空くらいである。他は、ブルマとその家族の「下着シリーズ」、ヤムチャら初期メンバーの「中華料理シリーズ」、ベジータら“サイヤ”人たちの「“野菜”シリーズ」、フリーザ一族の「冷却シリーズ」、ギニュー特戦隊の「乳製品シリーズ」、魔導師バビディらの「呪文シリーズ」などなど……そのほとんどが、何かの言葉をもじっただけのものだ。(ある意味物凄く凝られているとも言えるが…)

重要なのは、“ブルマ”や“トランクス”などという名称がキャラクター名として、ほとんど違和感なくまかり通っているということだ。こんな漫画他には無い。

そして、この漫画を子供時代に読んできた多くの人たちがそうだと思うが、誰もが一度は、もしかしたら「かめはめ波」「舞空術」が出来るんじゃないか!と、本気で“気”のコントロールを試みたハズである。こんな漫画も他には無い。

そういうあらゆる「常識」や「現実」さえも超越してしまうほどの、あまりに魅力的な「リアル感」が「ドラゴンボール」にはあるのだ。

長々と駄文となったが、結局は「スゴい!」という一言に尽きる。

名セリフは多すぎて選ぶのが難しいが、やはりコレ。

ベジータがついに悟空を認めて言うセリフ、

『がんばれカカロット…おまえがナンバー1だ!!』

あの誇り高いベジータに「がんばれ」と素直に言わせるところが、鳥山明らしく良い。泣ける。


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