つくる

やっぱりというか、結局のところ、僕は“ものをつくる”仕事がしたいと思う。

どうも、他のことをしようとしても感覚としてしっくりこない。

“創造”という言葉に対して、シンプルな憧れがあることは確かだ。

でも、もっと根本的に、何かを創り出したいという衝動があるような気がする。

それは決してカッコいいことなどではなくて、ただ単なる自分自身の欲求だと思う。

“無駄”なものをつくりたいのだ。

世の中に溢れる、「創造性」だとか「クリエイティブ」なんて言葉において創り出されるモノなんてほとんど、人間という生物が生存する上で絶対不可欠なものではない。

映画にしても、音楽にしても、小説にしても、漫画にしても、アートにしても、テレビにしても、広告にしても、何にしても、そんなもの無くたって人間は生きていけるハズなのだ。

世の中で人間が創り出すものなんて、“無駄”なものだらけだ。

それなのに人間は、人生をかけてモノを創り出そうとし、人生を通して様々なモノに触れようとする。

何故か?

「寄生獣」という漫画で言ってました。

それは、人間がよっぽどにヒマな生物だから。

他の様々な生物に対して、人間には計り知れないほどのヒマ=余裕があるからだ。

人間は、愚かしい生き物だけれど、そのヒマこそ、人間の唯一にして最大の“取り柄”なのだと。

ならばですよ。せっかく人間として生きていく以上、その取り柄を使わない手はないんじゃないか。

「つくろう」としないことは、なんだか大損な気がする。

どこかを代表するクリエイターになろうとか、後世に残るような作品を生み出そうとか、そういう仰々しいことを今更言っているわけではなく。

世の中のいたる所に存在する、とても小さくて、基本的なことでもいいから、何かをつくっていく仕事をしたいと思う。僕は。やはり。


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