夏の一人旅:二日目

原付一人旅~広島・尾道篇 2日目☆

朝日に照らされた原爆ドームを眺めながら、コンビニで買ってきた朝飯を食べる。

マンガ喫茶から出たときは一面曇り空だったので、心配していたのだが、徐々に晴れ間が出てきて安心した。

(が、それはまさに“束の間”の安堵感だった……)

そんなことはつゆ知らず、平和記念公園を歩き巡る。

時期的なこともあるのだろうけど、早朝だというのに、公園内は老若男女、多国籍の人々でにわかににぎわっていた。

原爆死没者慰霊碑に祈りを捧げ、平和記念資料館へ→。

今まで幾多の“資料館”という名称の施設を訪れてきたが、これほどまでに、深く心に感じ入ったところはない。

原爆という事実、戦争という歴史、そしてそこに存在したすべての人たちの感情が膨大な資料と共に押し寄せてくる。

入館料:50円! 平和記念公園全体を指して、ぜひともできる限り多くの人たちが足を運ぶべき場所だと思った。

……と、思慮深~い感慨に浸りながら、とても充実した午前を過ごすことができたのだ。

当初の予定では、今日は、昼過ぎになったら尾道へ戻るつもりだった。

暇つぶしのためにアウトレットモール“マリーナホップ”へ寄ったのが、暗雲のはじまりだったような気がする。

予想していたことなのだが、マリーナホップ(ポップ?)は全然面白くなかった。そもそもそんなところに一人で行くなという話なんだけれども……。まあ暇つぶしなのだからそれはいいとしよう。

「さあ、じゃあそろそろ尾道へ向かいますかねえ」

ふと、空を見上げる。

「あれ、なんか雲行きが……」

突如として降雨(お約束)しかも土砂降り…。

まあ夏だしね、よくあることだよ。と、余裕の待機モード。

しばらくの間、降ったりやんだりが繰り返され、やっと忌々しい積乱雲から薄曇りへ。

「よし、もう大丈夫でしょう☆」

と、ヘルメットをかぶる…………「ポツリ」

再び土砂降り……。一瞬でびしょ濡れ……。

再び待機モードに入るが、やむ気配なし…。

一応、合羽代わりのジャケットは持ってきている。覚悟を決め、降雨の中を出発することにした。

「ふん、どうせすぐやむだろう…」

そう、“その”予想は当たった。

“ガクンッ”

原付で走り出してすぐだった。急にバランスを崩して転倒しそうになった。

わけが分からず、あわててブレーキをかけ、ふと後輪を見て立ち尽くした。

見事なパンクであった……。

その瞬間、もう今日中に尾道に戻る気力は消え失せていた。

これ見よがしに復活した夏の日差しにやっつけられながら、車体を押してバイク屋を捜し歩いた……。

幸い広島市内だったので、わりとすぐにバイク屋は見つかった。これが街境の山中だったりしたらと思うとぞっとした。

が、しかし、パンクする前からかなり磨り減っていたタイヤは交換しければならないらしく、<タイヤ代=6300円>は痛すぎる出費である。

今日は結局その後も天気が荒れに荒れ、とても移動できる状況ではなかった。仕方なく市内の本屋その他でひたすら時間を潰して一日が終わった。

いいんだよ別に。これこそが“旅”なんだから。全然いいんだよ……。ふぅぅぅ~。

昨夜と同じマンガ喫茶で今夜も眠る。。。


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