「デス・プルーフ in グラインドハウス」

2012☆Brand new Movies

 

まったく“とんでもない”映画だ。
アクション?サスペンス?ホラー?映画のどのジャンルに当てはめようとしても、すべてに「?」を付けたくなる。というか、こういう風に論じようとすること自体が馬鹿らしく思えてくる。
つまりは、ハリウッドにおける永遠の悪童クエンティン・タランティーノが、またもや“大馬鹿映画”を作り上げたということに他ならない。

冒頭から延々と繰り広げられるのは、典型的な女子の駄話。実際その教養もなければ、オチもないガールズトークは、映画の大半を占める割合で展開される。
そこには退屈を覚えるというよりも、一体なんなんだこのシーンは!?と唖然としっ放しになる。
ただ何故だが眼は離せない。それはおそらく、「あー、こんなイケイケギャルたちの話に混ざりてー」という無意識の妄想が生まれているからだろう。

そんなイケイケギャル映画だった映画世界は、ミステリアスな雰囲気を携えて登場したカート・ラッセルが、狂気の殺人鬼(変態)に豹変した瞬間からオゾマしい恐怖映画に転じる。
その豹変ぶりは本当に「突然」で、作品中の惨劇シーン同様、激しい揺さぶりに酔いそうになる。

場面が変わり、また別のグループのガールズトークが始まるのだが、今度はいつ次の「恐怖」が訪れるのかと先の揺さぶりが止まらず、先には無かった居心地の悪さを感じずにはいられなかった。

そして再びカート・ラッセルが登場し、いよいよ始まりそうな次の恐怖に身構えた途端、映画は唐突なUターンの如き展開もとい“転回”を見せ、「女性至上主義」の圧倒的なカーアクション映画へ文字通りに突っ走る。
一体何が起こっているのか判然としないまま、映画は怒濤のエンディングを“ぶちかます”。
「THE END」のテロップが堂々と出た瞬間、馬鹿笑いを止められなかった。

「クソ映画」であることは間違い。けれど、クエンティン・タランティーノは多大な労力を注いで、端から「クソ映画」を撮ろうとしているのだから、文句のつけようが無い。
「カッコいい!」とか「エロい!」とか一瞬でも思ってしまったなら、その時点でタランティーノの完勝。観ている側は潔く完敗を認めるしかない。

 

「デス・プルーフ in グラインドハウス Death Proof」
2007年【米】
鑑賞環境:Blu-ray
評価:8点

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