「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」

2012☆Brand new Movies

 

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアに出てくる吸血鬼の女の子は、スパイダーマンの女優なのか?」
と、年明け早々友人からの久しぶりのメールで「あけましておめでとう」と共に、唐突に問われた。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」に「キルスティン・ダンスト」が出ていたような記憶は“情報”として薄らとあった。
がしかし、実は今作を観ておらず、映画好きとして「知らない」と答えるのは何だかしゃくだったので、すぐさまネットで調べて、彼女の出演を確認してから「キルスティン・ダンストだね」と知ったかぶりの返信をした。

その夜のうちにTSUTAYAに寄って、今作のBlu-rayをレンタルして帰った。
とても有名だけれどずうっと観る機会がなかった映画を初めて観るタイミングなんてものは大概こういうものだ。

日曜日の深夜に観終わりまず感じたことは、これほど“つかみどころ”のない映画も他に覚えがないということ。
それは面白味が見出せないということではなく、「ああこういう映画か」と認識するや否や、つかみかけた映画の世界観のテイストがするりと手の中から抜けていく感じを冒頭からエンディングまで終始受け続ける作品だった。

序盤は、ハリウッドのスター俳優としてこれからどう転じていくかという一つの岐路に立たされていたトム・クルーズと、その後釜を虎視眈々と狙い始めたブラッド・ピット、二人のスター俳優の新旧の“色気”が画面に映し出されるままにせめぎ合う完全な“女性の欲求くすぐり映画”だった。

そういう映画だろうという予想が、この映画を無意識に敬遠していた要因でもあったので、「ああやっぱりこういう映画か」と若干テンションが下がり始めた頃、掲題の女優が登場。一気に“ちっちゃいキルスティン・ダンストの才能爆発映画”に転ずる。
キルスティン・ダンストがこれほど子役の時代に出演している映画とは知らなかったので、前述の二人のスターをも凌駕する衝撃的な存在感を目の当たりにして驚きが隠せなかった。
凄いのは、今のキルスティン・ダンストもそうだが、子供の頃の彼女も決して手放しで「可愛らしい」とは言えない風貌にも関わらず、無性に惹き付けられてしまうところだ。
この存在感のまま、今やはハリウッドを代表する若手女優の実力派にまで登りつめているわけだから、やっぱり凄い。

その後映画は、ヴァンパイアたちの悲しく激しい対立と運命が描かれつつ、シリアスにそして切なく深まっていく。
「ああ、なかなか悲哀深い映画だった」と結論付けようとしたところ、ラストで更につかみ損ねた。

延々とインタビュー形式で綴られたヴァンパイアの悲しい運命の物語が、何百年に渡る“ぼやき”として軽快なロック(「悪魔を憐れむ歌」)と共に一笑に付せられた瞬間、映画ファンとしては幸福なほくそ笑みを浮かべずにはいられなかった。

豪華過ぎるキャスティングの印象が強かったせいか、ミーハー女子好みのある種ベタで王道的な映画世界が展開されるのだろうと思っていただけに、想定外に毒っ気が強く、カルト的な映画世界に最終的に圧倒された。
結局のところ最後まで“つかみ切れない”映画で、美しい部分はとことん美しいし、悲しい部分はとことん悲しいし、馬鹿馬鹿しい部分はとことん馬鹿馬鹿しい。
とにもかくにも、ちょっと他にない類いのユニークな映画であることは間違い。

ああ、生き血をすすりたい欲望を抑えるルイよろしく、なんだかじわじわと滲み出てくる「愛着」を抑え切れない……。

 

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア Interview with the Vampire」
1994年【米】
鑑賞環境:Blu-ray
評価:9点

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