スバラシネマex「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編」 “OVAだからこそ辿り着いた残酷と狂気の美しさ”

るろうに剣心 追憶編スバラシネマex

るろうに剣心 追憶編

評価: 7点

Story

剣心が人斬りとなり、そして不殺の誓いを立てるまでの運命の物語。
幼い心太は野盗の襲撃のさなか、飛天御剣流の継承者・比古清十郎と出会った。彼は心太に「剣心」の名と、「人の夜のために振るう剣術」である飛天御剣流を授ける。しかし数年後、剣心は京都で血みどろの刀を振るう「人斬り抜刀斎」となっていた。
ある雨の夜の死闘で、彼は一人の美しい女性と出会う。名前は巴。彼女との出会いが、剣心を大きく変えていくことになる…。 Amazonより

 

Review

ようやくこのOVAを観ることができた。
世の好事家たち、特に時代劇フリークからも高い評価を受ける作品であることは知っていたので、随分前から観たかったのだけれど、OVA作品故になかなか鑑賞機会を得られなかった。

ただ今の世の中は便利なもので、Netflixにラインナップされているのを見つけ、鑑賞するタイミングを伺っていたところ、実写映画版「最終章 The Beginning」の封切りを迎えた。
「The Beginning」は、このOVA「追憶編」の映画化であることは明白だったので、そりゃあこれを観るタイミングは今しかなかろうと、劇場版鑑賞の前夜、鑑賞に至った。

まずは想像以上に、「時代劇」としての様式美と、主人公緋村剣心の心象風景の描写を突き詰めた演出に驚いた。
「るろうに剣心」は、基本的には原作者和月伸宏の趣味と嗜好が爆発した“ハイパーバトルチャンバラ漫画”であり、アメコミをはじめとするポップカルチャーが如実に反映された漫画世界を楽しむべき作品だと思う。

ただ、今作は緋村剣心の悲痛な過去を描いた“回想シーン”に絞ったOVA化であり、原作漫画が孕んでいる「静」そして「闇」の部分を追求した仕上がりとなっている。
その作品の方向性が、主人公緋村剣心の“人斬り”としての狂気と哀しみを浮き彫りにすると共に、この先の物語に繋がる“救い”と“決心”を導き出しているのだと思えた。

90年代のOVAなので、当然ながらアニメーションのクオリティーが物凄く高いとは言い難い。
けれど、作品のテーマを表現することに徹底し、時代劇としての様式美を追求したディティールは素晴らしかったし、通常のアニメシリーズとは一線を画してOVA作品として描き出した試みは正しかったと思う。
全編通して斬殺シーンの苛烈さも際立っており、OVAだからこそ挑めた表現も随所に見受けられた。
総じて、TVシリーズから携わったアニメーターたちが意欲を持って作り上げた作品だと感じた。

このOVA版「追憶編」の完成度の高さがあったからこそ、その実写化作品が、映画シリーズの最終作として公開されるに至ったのだろう。楽しみだ。

 

Information

タイトルるろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 追憶編
製作年(放映期間)1999年2月
製作国日本
監督
古橋一浩
脚本
十川誠志
撮影
沖野雅英
声の出演
涼風真世
岩男潤子
佐々木望
関智一
高木渉
鈴置洋孝
小粥よう子
池田秀一
中尾隆聖
内田稔
鑑賞環境インターネット(Netflix)
評価7点

 

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画像引用:https://www.netflix.com/

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