「宇宙大怪獣ドゴラ」映画レビュー “特撮以外の要素を楽しむべき娯楽映画”

宇宙大怪獣ドゴラ 2021☆Brand new Movies

宇宙大怪獣ドゴラ

評価: 6点

Story

宝石が謎の生物によって奪われるという事件が多発した。それは、炭素を主食とする宇宙生物・ドゴラの仕業であった。巨大なクラゲのようなドゴラには、地球上の如何なる兵器も通用しない。だが唯一、ドゴラに対抗できる手段が見つかった……。 allcinemaより

 

Review

本多猪四郎監督によるれっきとした特撮映画ではあるけれど、特撮描写というよりは、全編通して展開されるスパイ映画テイストの娯楽性の方が印象的で、その部分に面白さがある少々異質な映画だった。

先日鑑賞したゴジラシリーズ初の長編アニメ映画「GODZILLA 怪獣惑星」の冒頭シーンで「ドゴラ」が一瞬登場し、「随分マニアックだな」とほくそ笑んだところで、今作を未鑑賞だったことに気付き、早速Amazon Prime Videoでレンタル鑑賞。
多少マニアックな映画でも、思い立って1分とかからず自宅鑑賞出来てしまう今の世の中は、ほんと便利なものだなあと、レンタルビデオ世代の映画ファンとしてはつくづく思う。

ただ、冒頭に記した通り、この特撮映画において“ドゴラ”なる宇宙怪獣の印象は極めて薄い。
なぜなら登場シーン自体が極めて少なく、大々的に映し出される描写においても、ポスターに描かれている“宇宙クラゲ”的な造形ではなく、ただ巨大な軟体動物を空に合成したような「お粗末」と言わざるを得ないものだったからだ。

特撮映画としては満足に足るものでは到底なかったけれど、その一方で時代感のある娯楽描写は中々楽しいものだった。
隙だらけの国際犯罪組織と日本警察、そして某国際組織のエージェントとの三つ巴の攻防戦は、極めてチープだけれど、そういう部分も含めて娯楽としての味わい深さを醸し出していたと言える。
日本を舞台にした007映画「007は二度死ぬ」の数年前の映画であるが、同年代の作品であることを実感させる日本各地の街並みや風俗描写、そしてボンドガールにも抜擢された若林映子の存在感が光る。

 

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Information

タイトル 宇宙大怪獣ドゴラ DOGORA-THE SPACE MONSTER
製作年 1964年
製作国 日本
監督
本多猪四郎
脚本
田実泰良
関沢新一
撮影
小泉一
出演
夏木陽介
ダン・ユマ
中村伸郎
小泉博
藤山陽子
若林映子
河津清三郎
天本英世
藤田進
田島義文
鑑賞環境 インターネット(Amazon Prime Video)
評価 6点

 

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