スバラシネマex「エージェント・オブ・シールド:シーズン1」“結局、MCUファンには避けて通れぬ「沼」”

スバラシネマex

評価:  8点

Story

全世界を震撼させた“アベンジャーズの戦い”の後、国際平和維持組織シールドは、より一層世界の監視を強め、宇宙からの侵略者や超人から一般市民を守ることを使命に活動していた。そして、死んだと思われていたエージェントのコールソンを復職させ彼の特命チームを作り、全世界で起こる事件の調査解決に向かわせる…。 Filmarksより

「エージェント・オブ・シールド シーズン1」予告編
マーベル・スタジオ製作、壮大なスケールで描く超大作ドラマ! 大ヒット映画「アベンジャーズ」スピンオフのアクション・ドラマ、ついにブルーレイで登場! あの『アベンジャーズ』、『アイアンマン』など数々の大ヒット映画のリリースを続けるマーベル・スタジオが製作する、本格的なアクション・ドラマ『エージェント・オブ・シールド...

Review

2020年GW真っ只中の5月末日、コロナ禍で映画に行こうにも行かれず(そもそも新作映画が公開されていない)、自宅で鑑賞可能な未見映画にも何だか食指が動かず、ついに禁断のコンテンツに手を伸ばしてしまった。

近年、「映画」以上の圧倒的の物量とエンターテイメント力で、全世界的に侵食している強大なコンテンツ。一度手を出してしまったならばその“沼”から抜け出せないことは必至で、映画鑑賞の比ではない莫大な“時間”を捧げなくてはならなくなる恐怖のコンテンツ。

そう、それは「海外ドラマ」である。

「ウォーキング・デッド」然り、「ゲーム・オブ・スローンズ」然り、世界的大ヒットとなったドラマは次々にシーズン化し、社会現象を巻き起こす。
そして、映画鑑賞の“文脈”の中にも、ポップカルチャー面、キャストやスタッフ、映画作品とのリンクというような様々な形で入り込んできている。
もはや、真っ当な映画ファンであればあるほど、海外ドラマを無視できないというのが正直なところだろう。

エンターテイメントとして「面白い!」のは、わかっている(わかり過ぎている)。
ただやはり、ネックとなっていたのは、「時間」と「打ち切り」だった。

敬遠していたとは言っても、過去いくつかの海外ドラマを観ていたことはある。
ドラマが面白ければ面白いほど、時間はいくらあっても足りなくなる。1シーズンあたり大体20話近くはエピソードがあるので、1シーズン丸々鑑賞するには単純計算で映画作品8〜10本程度鑑賞できる時間が必要となる。
ただでさえ、映画鑑賞をするための時間を捻出していることに苦労している映画ファンとして、最大のネックであることは言うまでもない。

そしてもう一つ、海外ドラマというのもは常に「打ち切り」を覚悟しなければならないということ。
言い換えると、人気が低迷して打ち切りになるまでストーリーが完結しないということも往々にしてある。
つまり、善し悪しは別にしてゴールが明確な映画作品に対して、海外ドラマは、どんなに優れた作品であっても、ストーリーの終着があまりにも尻切れトンボになることが多い。

ただ、そんな不安要素や危惧を抱えつつも、個人的にはそれでも「観ておかなければ」と(実は長年)思い続けていたドラマシリーズがあった。

それが「エージェント・オブ・シールド」だ。

「観ておかなければならない」要因もいくつかあるが、何と言っても第一は、このドラマシリーズが“マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)”のスピンオフドラマであるという点。
「アベンジャーズ」の第一作目で“殉職”した“S.H.I.E.L.D.”のエージェント・コールソンを主人公とした物語であり、MCUの本流とまさに地続き、しかも共有された時間軸の中で文字通り並行して描かれるストーリーラインであるということだ。

このシーズン1では、映画「アベンジャーズ」でロキ(ソーの弟)に心臓を貫かれたフィル・コールソンが、極秘に復活を遂げ新チームを率いて“裏舞台”で活躍する様が描かれる。
“S.H.I.E.L.D.”という秘密国際機関の内幕がメインフィールドとなる物語に相応しく、最新科学や超常現象が入り乱れる中でのスパイ映画的なストーリー展開が、当然ながら娯楽性に溢れていてシーズン序盤から早速楽しい。

コールソンを演じるクラーク・グレッグ以外の出演俳優たちは、海外ドラマに馴染みのない者にとって基本的に初めて見る俳優ばかりである。けれど、そのことが功を奏して、二転三転するストーリー展開をより一層フレッシュに楽しむことができた。
エピソード毎のエンディングで「ええッ!?」「ほう(ニヤリ)」とまさかの展開に驚くことができるのは、まさしくドラマだからこその醍醐味だろうと思う。

クラーク・グレッグをはじめ、主要キャラクターを演じる俳優たちは皆魅力的だったが、このシーズン1で最も印象的だったのは、“S.H.I.E.L.D.”のベテランエージェント・ジョン・ギャレット(実はヒドラ)を演じたビル・パクストンだ。

90年代のハリウッド映画で育った世代の映画ファンとしては、ビル・パクストンが“ゲストスター”として出演していること自体が嬉しかったが、シーズン終盤に向かうにつれ加速する彼の悪役ぶりが、キャラクターとして振り切っていて実にエキサイティングだった。
シーズン最終回のクライマックス、満を持してのニック・フューリー登場により高揚感は最高に高まるが、それも悪役として対峙したビル・パクストンの怪演があったからこそだろう。

嬉々として見事にヴィランを演じきったビル・パクストンだが、この出演から3年後に病に倒れ亡くなっている。享年61歳、名優の死にはあまりにも早く、あまりにも惜しい。

 

さて、MCUの時間軸の中では、このシーズン1と並行して“S.H.I.E.L.D.”は崩壊(「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」)し、エージェントの面々は世界からの孤立を余儀なくされる。

彼らの主戦場は、裏舞台からさらなる深層へ。それは、まさしく「沼」の様相。無論覚悟はしていたが、もはや後戻りはできない。

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Information

タイトルエージェント・オブ・シールド シーズン1 AGENTS OF S.H.I.E.L.D. MARVEL’S AGENTS OF S.H.I.E.L.D.
製作年(放映期間)2013年~2014年
製作国アメリカ
監督
ジョス・ウェドン デヴィッド・ストレイトン ミラン・チェイロフ他
脚本ジョス・ウェドン ジェド・ウェドン モーリサ・タンチャローエン他

出演クラーク・グレッグ
クロエ・ベネット
ブレット・ダルトン
ミンナ・ウェン
イアン・デ・カーステッカー
エリザベス・ヘンストリッジ
J・オーガスト・リチャーズ
コビー・スマルダーズ
ルース・ネッガ
サミュエル・L・ジャクソン
デヴィッド・コンラッド
ピーター・マクニコル
サフロン・バロウズ
ビル・パクストン
鑑賞環境インターネット(Disney+・字幕)
評価8点

 

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