「ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-」映画レビュー “「パナマ文書」のことが、どんどん分からなくなる見事な映画”

ザ・ランドロマット2020☆Brand new Movies

ザ・ランドロマット

評価: 8点

Story

夫を亡くしたエレン・マーティンは、弁護士のユルゲン・モサックラモン・フォンセカの詐欺取引に巻き込まれてしまう。マーティンは自分が被害に遭った詐欺を調べ始めたが、自分の小さな苦境が世界中で起こっている巨大違法取引のほんの一端に過ぎないことを知る。 Wikipediaより

『ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-』予告編 - Netflix
夫を事故で亡くしたエレン (メリル・ストリープ) は、事故の保険について調べていくうちに、パナマの法律事務所の悪徳弁護士たち (ゲイリー・オールドマン、アントニオ・バンデラス) に辿り着く。腐敗した金融界にはびこる闇を描く本作の監督を務めるのは、スティーヴン・ソダーバーグ。

 

Review

「パナマ文書」とは結局のところ何なのか?

その知見を得ることを目的としてこの映画を観たならば、もしかすると逆効果かもしれない。
なぜならば、ストーリー展開に伴いその「真相」が詳らかになるほどに、関連する人物や物事はぐちゃぐちゃに入り組んで、わけが分からなくなることが必至だからだ。
それくらいに、この「パナマ文書」と称される機密文書に絡む一連の租税回避行為は、悪意に溢れた巧妙な責任転嫁の上に成り立っていて、その実態が見えてくればくるほど、怒りを超えた虚無感を覚える。

世界を股にかけたペーパーカンパニーを用いたマネーロンダリング。
その“合法行為”がもたらした「悲劇」と「裏切り」に対する怒りと虚無感が、稀有な映画手法で見事に描きつけられている。
呆れて失笑してしまうくらいに煩雑な相関関係も、それ故に入り乱れるストーリー展開も、本作の狙い通りであり、そこには明確な「意思」があった。

ラストカットでは、主演のメリル・ストリープが、劇中で演じたキャラクターを“二段階”で越え、更には“第四の壁”までも越えて、大女優メリル・ストリープとして断固たるメッセージを発する。
彼女は、観客である我々に向けて「まずは疑問を紐解くこと」の重要性を諭す。そして、自由のシンボルを模した姿と強い眼差しで、今この瞬間にも蔓延る“危機”を訴える。

 

事件当事者である実在の人物と狂言回し、そしてメッセンジャーとしての女優本人が、次々と立ち代わり入り乱れるストーリー展開は、前述の通り非常に分かりづらい。
ただし、だからこそ生じる愚かさや可笑しみも含めて、この映画のつくり手達の目論見通りであろう。
この世界の“真相”に対しては、大女優と同様に怒りに打ち震えるが、その感情も含めて面白味に溢れた作品だった。

それにしても、こんなにも時事的であると同時に実験的な映画を、こんなにも豪華なキャストで作り上げた監督は誰だ?
と、思いきや、なんだスティーブン・ソダーバーグか。只々納得。

 

「コンテイジョン」
突如として発生した高致死率の新種ウィルスが瞬く間に世界中に広がっていく恐怖を描いた映画。 というイントロダクションを聞いて真っ先に連想してしまうのは、やはり「アウトブレイク」だ。「アウトブレイク」が、殺人ウィルスそのものの…more

 

Information

タイトルザ・ランドロマット -パナマ文書流出- THE LAUNDROMAT
製作年2019年
製作国アメリカ
監督
スティーヴン・ソダーバーグ
脚本
スコット・Z・バーンズ
撮影
ピーター・アンドリュース
出演
メリル・ストリープ
ゲイリー・オールドマン
アントニオ・バンデラス
ジェフリー・ライト
メリッサ・ローチ
ジェームズ・クロムウェル
シャロン・ストーン
鑑賞環境インターネット(NETFLIX・字幕)
評価8点

 

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画像引用:https://www.imdb.com/title/tt5865326/mediaindex?ref_=tt_pv_mi_sm

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