伊坂幸太郎の原作の世界観をどれほど踏襲できているのかは、原作未読のためはっきりしない。
おそらくは、もっと物語の本質を際立たせる文体の巧さが味わえるのだろうと想像する。
しかし同時に、伊坂幸太郎流の、子供と大人の狭間の少年たちを描いたドラマ性は、この作品からも充分に伝わってきた。
テレビ映画らしく特筆するほどのインパクトは無いが、面白いドラマだったとは思う。
ただし一方で、もう少しこの原作者らしいミステリアスを孕んでいるものと期待してしまった部分もあり、そういう部分での“薄さ”は正直物足りなかった。
先輩家裁調査官の“とんでも”ぶりの裏に隠された真意など期待させる部分があっただけに、案外すんなりと爽やかに終わったなーという印象を持った。
まあ、だからと言ってその顛末が作品として悪かったというわけではないのだけれど。
機会があれば原作も読んでみたいと思う。
たぶん原作を読んでしまうと、この映画作品の評価は下がってしまいそうだが。
「CHiLDREN チルドレン」
2006年【日】
鑑賞環境:DVD
評価:6点
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