「アガサ・クリスティー ミス・マープル3 復讐の女神」

2010☆Brand new Movies

 

ミステリーにおける“探偵”は、物語の真相を解き明かす先導者であり、同時に犯人を奈落の底に突き落とす“死神”でもあると思う。
謎の解明は、即ち殺人者に対する処刑宣告であり、その様は時に無慈悲で恐ろしい。

そういったミステリーの主人公の“正義漢”と表裏一体の“恐ろしさ”を、今作のミス・マープルからは如実に感じられた。まさに「復讐の女神」という主題にふさわしい。

古き友人の遺言に導かれるようにミステリーツアーに参加するミス・マープル。そこに集まるわけありの人物たち。
アガサ・クリスティー作品の大定番と言える舞台設定の中で、殺人が起こり、過ぎ去った殺人事件の真相が導き出される。
展開は極めて王道的だが、冒頭から感じられる禍々しさがストーリーの全編に溢れ、緊張感を増幅させる。

多くのミステリー作品で見られる顛末と同じく、真相を暴かれた殺人者は自ら命を絶つ。
その定番の展開を見る度に、「みすみす死なすなよ」と思ってきたけれど、もはやそれはミステリーそのものの定石であり、避けられる顛末ではないのだと感じてきた。

ミステリーにおいて、真相を解明する者は、同時に死刑宣告者であり、すべての主人公はその宿命を負っているのだ。

「アガサ・クリスティー ミス・マープル3 復讐の女神 MARPLE: NEMESIS」
2007年【英・米】
鑑賞環境:BS(吹替)
評価:7点

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