本当は、昨年(2009年)の年末に今作のBDをレンタルしていた。しかし、目前に迫る2010年を前にして、「この映画は年が明けてから観るべきだろう」と思い、晴れて2010年になり、レンタルをし直して初鑑賞に至る。
実に深い面白味を備えた上質なSF映画だと思う。
もちろん、「2001年宇宙の旅」の「続編」と位置づけられている以上、その歴史的大名作との比較は避けられず、そのまま比べたとするならば、「浅い」という結論は否定できない。
ただし、それは仕方がない。これまた映画史に残る鬼才監督スタンリー・キューブリックが残した「2001年~」は、人類という種のはじまりと極限、そしてそれら全てを含めた宇宙自体の深淵を追求した、あまりに「常識的ではない」映画だからだ。
その“お化け映画”に敢えて挑み、真っ当なSFとしての一つの結論を導き出してみせた様は、充分に評価できるし、映画単体としてのレベルも非常に高い。
特に、謎と荘厳さに満ち溢れた宇宙空間の描写は圧巻。
「静寂」という宇宙の根本的な恐怖と美しさを、存分に感じさせ、思わず息を呑む。
「2001年宇宙の旅は」まだ一回しか観たことが無い。物凄い映画だということは理解しているつもりだが、実のところ、あの映画の本質を100%理解しているかと言われれば、極めて自信がない。
ただ、今作を観ることで、その分厚く濃密な殻が幾分割れやすくなったような気がする。
おそらくは今作と同じ理由で2001年に観て以来のあの映画に、再び挑戦してみようと思った。
「2010年 2010」
1984年【米】
鑑賞環境:Blu-ray
評価:8点
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