「トランスフォーマー」

2009☆Brand new Movies

 

これほどまでに、「クソクソ面白いクソ映画」は観たことがない。(下品ですみません)

「ストーリーなんてあって無いようなもの」という言い回しはよく聞くが、これほどまでその文句に相応しい映画もない。
そもそもの発端の設定から、主人公のキャラクター性、他のキャラクターたちの言動に至るまで、本来あるはずの整合性はほころびまくり、ただただブロックバスター映画としての“勢い”だけで突っ走る。

ただ、その“勢い”が馬鹿馬鹿しいまでに物凄い。

「トランスフォーマー」という玩具は、自分も幼少時によく遊んだおもちゃで、持っていたのは、戦闘機からロボットに変身(トランスフォーム)するタイプだった(今作の中では悪役……)。
自分が遊んでいた時には、漫画とかアニメとかは無かったと思う。
基本的に“一人遊び”が好きな子供だったので、一人好き勝手にストーリーを想像しつつ、「ドカーン」、「バキューン」と遊んでいた記憶が、沸々と蘇ってきた。

「物凄い」のは、誰しもがやっていたであろうそういう“一人遊び”のまさに延長線上に、この莫大な製作費によって生み出されたブロックバスター映画が存在するということだ。

ハリウッドを代表するいい大人たちが、よってたかって「子供の空想」を真剣に必至になって映像化している。
「理屈」や「リアリティ」なんて言葉の意味すら知らないよ、と言わんばかりの怒濤の映像世界には、感嘆を通り越し、心底ほくそ笑んでしまう。

「なんて馬鹿馬鹿しい……」と思いつつ、これほどまで楽しめてしまうその要因は、ハリウッドでエンターテイメント映画を創り続ける重鎮たちの意地とプライド、そして偉大なる“永遠の子ども心”に他ならない。

子どもの頃に遊んでいた時、何を考えていたか全く思い出せない様に、この映画を観て「何かが残るか?」というと、何も残らない。“クソ映画”と吐き捨てても仕方あるまい。

ただし、「面白い」がね。

「トランスフォーマー Transformers」
2007年【米】
鑑賞環境:DVD
評価:7点

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