「大統領暗殺」の陰謀を描いた映画は山のようにあって、作品の本質的な面白さを比較すれば、この映画は中の下というところだろうが、もうほんとに久しぶりにこの手の映画を観たせいか、楽しめたと言っていい。
キーファー・サザーランドが“ジャック・バウアー”に見えるとか見えないとか言う危惧は、「24」を全く未見なので問題なかったし、伝説のシークレットサービスなのにファースト・レディと不倫してしまっているというリアリティのない設定も、マイケル・ダグラスなら「仕方ないか……」と意味不明な納得をしてしまった。
結論的にはストーリーにそれほどひねりはないし、キャラクターに対する焦点も今ひとつ定まらないけど、テンポよくポンポンと事が流れていくので、娯楽映画としてストレスがなかったことが作品を救っている。
ダグラス、サザーランド、ベイシンガーと実力のある俳優を配していることも、映画としてウマくまとまった要因だろう。
それにしてもシークレットサービスのシゴトぶりは徹底している。が、あれほどストレスフルなシゴトもないのではないか。
そう考えると、現米国大統領のシークレットサービスのシゴトの壮絶さは想像を絶してしまう。
「ザ・センチネル/陰謀の星条旗」
2006年【米】
鑑賞環境:DVD
評価:6点
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