「キサラギ」

2007☆Brand new Movies

 

自殺したマイナーアイドル「如月ミキ」の一周忌に集まった曲者ぞろいの5人の“ファン”たち。
全編通してまんべんなく“笑い”を散りばめつつ、密室の中でアイドルの死の「真相」を突き詰めていく様は、「12人の優しい日本人」を彷彿とさせる。と言えるほど、よく練られたストーリー設定がスバラシイ。

5人のキャラクターそれぞれが立っていて、それぞれのキャラクター設定や、伏線となる言動が徐々に結びついていく様に、登場人物たち同様にハッとなる。
それがサスペンスとしても心地よい快感となり、どんどんのめり込んでいけて、とても楽しい。

ストーリーやサスペンスとしての伏線自体は、実はとても安直なもので、それほど突き詰められたものではないのだけれど、愛すべきキャラクターと映像世界が、トータル的に「良い映画」として仕上げていると思う。
最終的に、観客も“如月ミキファン”になってしまうような、そんな愛着感こそ、この作品が映画として「スバラシイ」と言える最大の要因だと思う。

惜しむらくは、宍戸錠の出演はお宝DVDの中だけでとどめてほしかった。
5人揃って“見事”な振り付けを披露するファンキーなエンディングで幕を降ろしてくれていた方が、よっぽど映画としての後味が優れていたと思う。

「キサラギ」
2007年【日】
鑑賞環境:映画館
評価:9点

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