「ナイロビの蜂」

2007☆Brand new Movies

 

アフリカという広大な大地で繰り広げられる陰謀に対する追求と、妻の死によってさらに深まる夫婦愛の探求。

リアルな世界情勢に裏づけされた重く重要な社会的なテーマと、ロマンティックな夫婦愛を絡ませ、サスペンスフルに描いた構図は巧みだと思う。
現地の空気感をそのままに描き出した美しい映像世界も、観客を引き込むには申し分なくそれだけで価値がある。

ただどうしても合点がいかないのは、主人公の最終的な行動。もちろんその態度は潔く、ある意味における力強さには溢れているが、果たしてそれは最愛の妻が望むことだろうか。「運命」として悟るにはいささか早すぎやしないか。

「美学」と言えば聞こえはいいが、描かれるテーマが現実的であるが故に映画としてのリアリティが無いように思う。

なんだか、結局夫婦としてどれだけのことをこの二人は分かり合えたのだろう?と、核心である二人の関係性にまで疑問が生まれてくる。

それは生前の妻の行動にしてもそうで、いくら夫のことを思うが故にということでも、あれだけ惑わせる要素たっぷりな言動を見せられては、夫とすればそりゃ疑ってしまうというもの。
もう少し夫婦としての関係性について深く描く必要があったのではないか。

まあだけれども、この映画の監督が何よりも訴えたかっであろう世界におけるアフリカの“リアリティ”というものはひしひしと伝わってくる。
ぎらつような美しい映画世界の残酷な現実は、そのままこの窓の外につながっている。そのことを認識したとき、また新たな感情が生まれる。

「ナイロビの蜂 The Constant Gardener」
2005年【英・独】
鑑賞環境:DVD
評価:5点

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