「アンジェラ」

2006☆Brand new Movies

 

「ジャンヌ・ダルク」から口を閉ざして6年(まあ実際には製作やら脚本やらで名前は度々登場していたが)、リュック・ベッソン待望の新作と聞けば、観ないわけにはいかない。たとえそこに一抹の不安があろうとなかろうと……。

しかし、その不安は序盤から一気に消え去る。広がる映画世界、それはまさにリュック・ベッソンの“それ”だった。
タイトルからもわりと容易に想像できるように、ストーリーはいたってシンプル。描かれるテーマ性自体も至極普遍的なものだ。が、だからこそ、そこに生まれるベッソン流の繊細で激しい“感情の揺れ”が際立つ。

白と黒のパリ。「自己愛」から始まる眩い「純愛」を描くこの作品は、リュック・ベッソンという映画監督にとってひとつの「原点回帰」になるに違いない。
純粋過ぎて、ある部分では荒削りにで短絡的にも見える。しかしその要素は、「レオン」の前の「ニキータ」を思い起こさせる。すなわち、なにかこの映画自体に大いなる予感を感じさせる。

“美しい新星”の発見というもはやリュック・ベッソンにとって“お約束”な要素を見事今作においても果たし、リュック・ベッソンがその名のもとに、還ってきた。そう信じたい。

「アンジェラ Angel-A」
2005年【仏】
鑑賞環境:映画館
評価:8点

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