「メゾン・ド・ヒミコ」

2006☆Brand new Movies

 

“メゾン・ド・ヒミコ” それは、ゲイのための老人ホーム。

映画として描く上で、この素材はとても魅力的だと思った。
ゲイという存在の、独特の楽天性、核心に抱え込む哀しみ、そういう彼らならではの感情が、「老人」というまたべつの感情とあわさることによって、なおさら人間としての切なさが溢れると感じたからだ。
そして、そこには、想像通りの愁いが静かに漂っていた。

そのベースの上に、主要キャラクター3人の複雑な人間関係が入り混じり、新鮮さと深みを持った人間ドラマが繰り広げられる。
物語の中心人物を演じた、柴咲コウ、オダギリジョー、田中泯の演技がそれぞれ良くて、微妙な感情を携えた難しい人格を各々が、違和感なく息づかせている。特に柴咲コウが演じた、どこか不器用な感情表現しかできない主人公が、不思議な愛らしさを持っていて素晴らしい。

人間どう生きたって、苦しい。どんだけ「自由」に生きてもそれは同じだろう。果たして、「自由」に生きることに意義はあるのだろうか?
そのことを、時に感情的に、時にドライに綴っていく。

どこまでも淋しげで哀しい空気感に包まれながら物語は進んでいく。それでも最後に、人間は笑うことができる。なぜかじんわりと温かさが生まれる。
そういう、いい映画だと思う。

「メゾン・ド・ヒミコ」
2005年【日】
鑑賞環境:DVD
評価:9点

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