「アベンジャーズ/エンドゲーム」公開を間近に控えて、本当はMCU全作品をフルマラソンしたかったが、流石にそうも言ってられないので、鑑賞済みの全シリーズ作の内、前回鑑賞から遠ざかっているものを中心に見返すことにした。
一発目は当然「アイアンマン」。言わずもがな、このアメコミヒーロー映画のある種奇跡的な成功がなければ、MCU自体が成立していなかったであろうことは明らかで、監督を務めたジョン・ファブロー、そして彼が周囲の反対を押し切って主演に迎えたロバート・ダウニー・Jrの功績はあまりにも大きい。
改めて見返すと、主人公トニー・スタークのそもそもの立ち位置は、「悪役」とはまでは言わないが、まったくもってヒーロー然としておらず、傲慢な武器商人が絶体絶命の危機から一転「正義」に目覚めていく様は、荒唐無稽で浅はかにも見えるが、実に人間臭くもあり、その自信家の裏に隠された人間的な脆さや、弱さ、そしてそれらをひっくるめた信念の強さこそが、この“社長”の魅力なのだろうと思える。
「アイアンマン」というキャラクター自体は1960年代からアメコミの世界で登場していたわけで、そもそものキャラクター性とビジュアルデザイン自体は“古風”と言っていいくらいに既視感の強いものだったはず。
しかし、監督と主演俳優の力量により、極めてフレッシュでセンセーショナルな映画に仕上がったことが、MCUの展望を明るく照らしたのだと思う。
そして、それらをひっくるめて最終的な英断(人選)を下したマーベル・スタジオの懐は深く、やはり凄い。
あと、フィル・コールソンのエージェントとしての動き出しの速さと的確さにも脱帽。
「アイアンマン Iron Man」
2008年【アメリカ】
鑑賞環境:インターネット(Amazon・字幕)
評価:9点
コメント