<<ネタバレアリ!!>>
この映画は、スリラーなのか?ラブストーリーなのか?
そういう一種の「違和感」に、冒頭から中盤まで惑わされる。そして、もしかしたら物凄く中途半端な駄作なんじゃないかと“疑心暗鬼”になってくる。
しかし、その曖昧さこそ、この映画が「意図」する目論見だったのだ。
ひとつの“キス”から始まる、情熱と疑惑。物語はその二つの要素を代わる代わる組み込むように展開してゆき、「真意」を煙にまいていく。
美しさと怪しさを備えた俳優たち、そして巧みで効果的なカメラワークによって、尚更に「疑惑」は深みへとハマり、突如、「真意」へと突き進む……。
果たして、何が「演技」で何が「演技」でないのか……?
「無理の無い完璧なストーリー」だとは言えないが、この映画が試みた要素は、挑戦的で小憎らしい。
そして何より、とても刺激的だ。
それにしても、サンダンス映画祭での好評作は、いよいよハズレがなくなってきた。
「ドット・ジ・アイ dot the i」
2003年【英・スペイン】
鑑賞環境:DVD
評価:8点
コメント