何のきっかけだったか、徐々に気忙しくなり始めた晩秋の頃に、この映画を無性に見たくなった。
子供の頃に初めて観たときは、まったくピンときていなかった。まあ、当然だろうと思う。
だが今は、鑑賞し直すたびに、つくづく名作だと思う。
なんでもない人間のなんでもない感情の機微。
そこにこそ、芳醇で何にも代えがたいドラマが存在するということを見据え、“色褪せているのに、色褪せない”至高のアニメーションに描き出した稀代のアニメーション監督の業に感嘆する。
今年(2018年)は時代の変わり目に合わせるかのように、偉大な人物が幾人も世を去ったが、この人も勿論その筆頭だろう。
ただ、彼が生み出した数々のアニメーションは色褪せることなく生き続ける。
追悼 高畑勲。
「おもひでぽろぽろ」
1991年【日本】
鑑賞環境:DVD
評価:10点
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