前作「M:I-2」の“失敗”の影響も引きずり、興行収入的には落ち込んだシリーズ第3弾だが、最新作第6弾が公開された今振り返ってみれば、シリーズにおいても重要な価値を持った作品だと思える。
当時テレビドラマシリーズの成功により売出し中だったJ・J・エイブラムスを長編映画デビューさせた“プロデューサー”トム・クルーズの先見は流石だし、
「M:I-2」までのイーサン・ハント独壇場的なストーリー展開から、IMFというスパイ組織の“チーム感”を原点回帰的に描き出したことは、大成功を収めた次作「ゴースト・プロトコル」の礎になったとも言える。
そして何より、“ベンジー”ことサイモン・ペッグをキャストに引き入れたことが、次作以降爆発する娯楽性のキーポイントになったことは明らかであり、ファインプレーだったと思う。
娯楽活劇の常套手段である「マクガフィン」を、マクガフィンとしての役割のみで展開されるある種メタ的なストーリー展開も、その意図がわかった状態で繰り返し観ると、映画ファンとしては中々味わい深い。
故フェリップ・シーモア・ホフマンが演じる武器商人の、大物感と小物感を併せ持った何とも絶妙な非道ぶりも、一流の演技力に裏打ちされており印象深い。
「M:i:III Mission: Impossible III」
2006年【アメリカ・ドイツ】
鑑賞環境:インターネット(amazon・字幕)
評価:7点
コメント