今夏の最新作「フォールアウト」にキーパーソンとして登場する武器商人の女が、シリーズ第一作でイーサン・ハントと駆け引きを繰り広げた“マックス”の娘という設定だったので、改めて今作を観返したくなった。
20年以上の月日を経て、武器商人の方は“代替り”をしているのに、イーサン・ハントは相も変わらず、いや20年前以上にエネルギッシュに世界を飛び回り、走り回っていることが感慨深い。
監督はブライアン・デ・パルマ。作品のタイプからすると、果たしてこの巨匠の性質に合っていたかは疑問だが、それでも随所にデ・パルマらしい画作りの味わい深さと、芳醇なミステリアスは醸し出されている。
そして、二十数年の年月を経てシリーズ第6作が、押しも押されもせぬ最新アクション映画の最先端となり得ていることを踏まえると、この第一作でトム・クルーズがイーサン・ハントというキャラクターを生み出し体現した価値は極めて大きいと思える。
この第一作からトム・クルーズはスター俳優らしからぬ精力さで体を張っているが、今の彼なら実際に走行するTGV(フランスの高速列車)での撮影も演りかねない。
「ミッション:インポッシブル MISSION: IMPOSSIBLE」
1996年【アメリカ】
鑑賞環境:インターネット(amazon・字幕)
評価:8点
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