おヒサシネマ! 「ゴールデンスランバー」

久々鑑賞☆おヒサシネマ!

 

「逃げるが勝ち」ということわざを、突き詰めて、巧みにエンターテイメントとして纏め上げてみせたこの物語を、僕は愛してやまない。
ということを、5年ぶりに今作を観て改めて思い知った。

誰がどう評価しようとも、個人的には「最高!」としか言い様がない映画というものは確実にあって、僕にとって今作は間違いなくその一つなのだと思う。

映画的に安っぽい描写や、原作に対して不足している描写もあるにはあるのだが、それらすべてを補って余りある娯楽性を感じることが出来る。
それは、原作ファンとして、映画ファンとして、極めて幸福なことだと思える。

まあ何と言ってもキャスティングが素晴らしい。
個人的に、原作を読んだ時から、主人公として想定していた堺雅人はもちろんのこと、脇役から端役に至るまで、総ての演者がキャラクターに対してベストマッチだと思う。

実際見返してみると、今作は端役までキャスティングが豪華であり絶妙だ。
香川照之演じる胡散臭い捜査指揮官の配下の捜査官を演じる石丸謙二郎や永島敏行は、常軌を逸した無慈悲な捜査官をそれぞれ演じ、いつもの役柄とは180度異なる存在感を放っている。
劇団ひとりの恋人役のソニンや、渋川清彦の妻役の安藤玉恵らも、決して目立ちはしないが、味のある女性像を演じている。
ブレイク前の鈴木福くんも人気子役の片鱗を見せている。
柄本明、ベンガル、そして伊東四朗の熟練ぶりは言わずもがなだろう。
他にも、濱田岳、でんでん、滝藤賢一と枚挙にいとまがない。

きっと、機会がある度に僕はこの先何度もこの映画を観ることだろう。
そして、近日中に、これまで2回読んだ伊坂幸太郎の原作を、もう一度読み返すことだろう。

 

「ゴールデンスランバー」
2009年【日】
鑑賞環境:BS
評価:10点

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